Question 価格を下げて顧客を増やすべきか? 価格を上げて利益を増やすべきか? 「会計事務所は“Webで集めて面談で決める”ビジネスモデル。営業力を付ければ、まだまだ高価格で受注できますよ」


価格云々を論じる前にまず押さえるべきは、(1)デフレのときは低価格のお客様をたくさん集めることが基本であるということ。(2)会計事務所は士業事務所の中でもっともライフサイクルが進んでいるので、価格は低下する傾向にあるということです。

 ですから、今後も低価格の流れを止めることは難しいと言えるでしょう。

 ただ、その時に今ある商品をただ安くするのではなく、低価格でも採算のとれる商品を設計することが大切です。

 今、会計事務所が新規顧客を集める主流はWebですが、受注ステップとしては、電話で問い合わせをもらって→面談で受注するという2ステップです。ですから、低価格で集めて面談で高価格に誘導するチャンスが残されているので悲観する必要はありません。

 ぜひ、低価格帯から高価格帯に誘導する細かな商品設計と、スムースに誘導するための営業ツールを用意して、価格競争による消耗戦に巻き込まれないようにしましょう。(2012.8.7)


Suggstion 「わけあり商品を作ろう」

 価格を上げて商品を売るためには、少し不満足な商品を作っておく必要があります。
 「ワケがあるからこの価格です」というふうに値段を下げるわけです。フルサービスを値下げしてはいけません。提供するサービスが一緒のままだと、値上げする理由がなくなってしまいます。理想は、今あるサービスをいくつかのグレードに分けて、グレードを上げていくやり方です。


会計事務所業界専門マーケティングコンサルタント

大手経営コンサルティング会社出身
大谷展之(おおやのぶゆき)


株式会社Ooyaビジネスクリエイト 代表取締役
1965年群馬県生まれ。大手経営コンサルティング会社で、会計事務所専門コンサルタントとして活躍。2012年(株)Ooyaビジネスクリエイトを設立。1億円突破の会計事務所を作ることをテーマに精力的に活動。税理士会各支部、大手会計システム会社、出版社、生命保険会社などのセミナー・講演実績は100を超える。著書『税理士のためのマーケティングマニュアル』、『税理士のためのWEBマーケティングマニュアル』(第一法規)がある。
ホームページ:http://www.obcreate.co.jp


(月刊「BESTFIRM」より)