国税庁が空き家の譲渡特例通達の趣旨説明を公表
カテゴリ:12.国税庁関係 トピック
作成日:11/04/2016  提供元:21C・TFフォーラム



 国税庁は、相続した空き家を一定要件のもと譲渡した場合に、居住用財産の譲渡所得の特別控除に該当する譲渡とみなして同控除を適用する特例(平成28年度税制改正で創設)の取扱いを定めた通達を7月29日付で公表していたが、このほどこの通達の主要改正事項の趣旨説明をとりまとめ公表した。

 特例は、1)相続開始直前に被相続人のみが居住していた昭和56年5月31日以前に建築された家屋(区分所有建物を除く)及びその敷地で、相続の開始日以後3年を経過する日の属する年の12月31日までに譲渡、2)譲渡価額が1億円を超えない、3)譲渡をする家屋・土地は、相続の時から譲渡の時まで事業用、貸付用、居住用に使われていない、ことが適用要件。

 通達の趣旨説明をみると、特例は、家屋とその敷地の両方を相続等により取得した場合に限り適用されるが、相続人所有の敷地に被相続人が所有し居住していた家屋の場合、相続人が相続により、その家屋を取得したとしても、取得したのは家屋のみであるため、適用はないとしている。

 相続した家屋・敷地が店舗併用住宅の場合、適用対象となるのは、被相続人の居住用部分のみ。そして、相続の時後の増築等(被相続人居住用家屋の取壊し後等にするものを除く)により、被相続人居住用家屋の床面積が増減した場合でも、相続開始直前の被相続人居住用家屋の床面積を基に特例の対象となる居住用部分を判定するとしている。また、店舗兼住宅であっても居住部分がおおむね90%以上である場合は、家屋・敷地の全部を居住用部分として取り扱うことができる旨を説明。

 家屋・敷地の譲渡が、相続の時から譲渡の時まで事業用、貸付用、居住用に使われていないことがこの特例の適用要件とされていることから、たとえ「一時的な利用」であっても要件を満たさないとしている。また、貸付用には、賃貸借により有償で貸し付けられているものばかりでなく、使用貸借により無償で貸し付けられていたものも含まれることを説明している。