総務省検討会が個人住民税の議論を再開
カテゴリ:06.地方税 トピック
作成日:08/29/2016  提供元:21C・TFフォーラム



 社会経済構造の変化が進むなか、総務省が今後の個人住民税のあり方を検討するために昨年設置した個人住民税検討会(座長・林宏昭関西大学教授)の議論が今月、再開された。

 個人住民税は所得税と異なり、地域の人口や年齢構成、就労状況等が地域の自治体税収に直結するため、税源偏在が生じやすい。また、「町内会費」的性格を持つため、住民に幅広く負担を求めることも特徴だ。昨年11月の政府税調は地方税の論点整理として、1)自治体財源の適切な確保、2)納税義務者の減少を招かないしくみづくり、3)社会保障制度との整合性を挙げていた。

 検討会では課題の検討にあたり、所得税に共通する視点として1)所得再分配機能を高める人的控除の見直しと女性が就業調整しなくてすむしくみ、2)子育て支援税制のあり方、3)各種控除の役割分担のあり方を、個人住民税独自の視点としては1)若年層・低所得者層の生活基盤の確保、2)税収の地域間格差、3)社会保障制度の適用基準に幅広く用いられる個人住民税の非課税や所得金額のあり方を挙げている。

 このほか、マイナンバー制度が導入されて自治体の課税実務が大きく変わろうとしていることから、課税事務の効率化・適正化、特別徴収税額通知(納税義務者向け)と納税通知書の電子化、個人住民税の現年課税化も検討課題としている。