ゴルフ場利用税の廃止なるか
カテゴリ:06.地方税 トピック
作成日:10/03/2016  提供元:21C・TFフォーラム



 税制改正で文部科学省が平成25年から昨年まで連続して廃止を要望しているゴルフ場利用税。ゴルフは今年112年ぶりにリオデジャネイロ五輪で復活し、東京大会でも実施が決まっていることから、同省は幅広くゴルフの振興を図り、国民が身近に親しむ環境を整備するうえで重要だとして、来年度改正に向けてもすでに廃止要望を提出。ゴルフ競技団体や関係業界等を含め、同税廃止に向けた動きを強めている。

 ゴルフ場利用税は消費税創設の際の税制抜本改正でそれまでの娯楽施設利用税が廃止となり、パチンコ・麻雀・射的場などの利用にかかる税が廃止されたにもかかわらず、ゴルフ場の利用行為に対してだけは名称変更して存続した。国体競技選手や高齢者、障害者などは非課税だが、その他の利用者には一人1日当たりの施設利用に対して800円(標準税率)から1200円(制限税率)で課税されている。こうしたことから、関係者は消費税との二重課税だとして廃止を主張する。

 税制改正要望の背景にあるのは、ゴルフ人口の減少だ。平成5年に1480万人だったゴルフ場利用者は同26年に720万人と半減。この間、利用単価も大きく減少しており、業界には少しでも負担を減らしてゴルフ場に客を呼び戻したい事情がある。

 一方、課税側の都道府県と交付金を受ける市町村は廃止絶対反対で一致。ゴルフ場の開発許可や周辺の道路整備にかかる行政サービスを賄う費用として欠かせないという立場で、総務省も地方の貴重な財源だとして自治体を後押ししている。

 東京オリンピックのゴルフ競技実施を契機に人気回復、底辺拡大をねらう業界側と財源を死守したい自治体の攻防は今年も続きそうだ。