三菱自動車、エコカー減税分も全額補償へ
カテゴリ:16.その他 トピック
作成日:05/12/2016  提供元:21C・TFフォーラム



 燃費データ不正問題に揺れる三菱自動車はこのほど、対象車両の保有者に対し、余分に支払ったガソリン代やエコカー減税の対象から外れた場合に生じる税負担を全額補償する方針を決定。近く文書で通知することとした。具体的な補償額については算定方法も含めてまだ決まっていないが、まずはお詫びと損失補償の姿勢を示すという。

 対象となるのは、燃費データ改ざんが発覚した三菱自動車の「eKワゴン」、「eKスペース」と、日産に供給している「デイズ」、「デイズルークス」の4車種で計62万5千台。現在はいずれも生産を中止している。

 一般顧客への補償について現時点で決まっているのは、ガソリン代の差額分とエコカー減税額を補償するということのみ。具体的な補償の範囲や金額については、返還するガソリン代の算定方法がまだ決まっていないことや、エコカー減税の対象から外れるのか、減税率が変わるだけなのかが分からないため確定していない。

 三菱自動車によると、まずは文書にてお詫びと補償の意向を伝え、具体的な補償の範囲や方法については、今後、正しい燃費を再測定した上で遅くとも5月末までに対応を決定し、6月以降に文書で通知する予定だという。

 三菱自動車が直面する補償の範囲は広い。問題の車両所有者が余分に払ったガソリン代やエコカー減税絡みの税負担分には、供給先である日産自動車の車両保有者への補償も含まれる。また、イメージダウンによるディーラーの軽自動車販売機会の損失分、中古車価格の下落分、部品メーカーの休業損失分なども含めると、補償額は数千億円にのぼるという試算もある。

 また、国土交通省は同社の幹部に聞き取り調査を行う方向で検討に入ったとしており、その調査結果によってはブランドイメージの決定的な失墜にもつながりかねない。燃費データ不正問題によるダメージは、三菱自動車の財政基盤を揺るがしかねない規模になってきた。