政府、配偶者控除見直しを検討
カテゴリ:02.所得税 トピック
作成日:03/27/2014  提供元:21C・TFフォーラム



 政府の経済財政諮問会議と産業競争力会議は3月19日、合同会議を開き、女性の社会進出を促す政策の議論を開始した。狙いは安倍晋三政権の成長戦略を後押しすること。伊藤元重東大教授ら有識者議員4人は、現行の配偶者控除制度が女性の社会進出を阻害するとして見直しを提案した。

 配偶者控除は、会社員と専業主婦(主夫)の世帯で、会社員の課税所得を38万円減らして所得税を安くする制度。例えば夫が会社員、妻が専業主婦の場合、妻がパートなどで働いても、その年収が103万円以下なら所得税はかからず、夫の課税所得から年間38万円を控除することができる。そのため妻が働く時間を調整して年収を103万円以下に抑える例も多く、「103万円の壁」とも呼ばれ、女性の社会進出を妨げているとの指摘もある。

 しかし自民党は、選挙の政策集で配偶者控除維持を明記している。野田毅税制調査会長は18日に党本部で開かれた講演で「税調では年末に所得税改革として議論する」と述べる一方、「党の公約との整合性をどうするかが問題」とし、慎重に検討する考えを示した。

 自民党内には伝統的な家族観を重んじる議員も多く、見直しに慎重な意見も根強い。実際に見直されるかどうかは不透明だ。