クレジットカード納税がスタート
カテゴリ:15.税制改正 トピック
作成日:03/31/2016  提供元:21C・TFフォーラム



 いよいよ国税にも「クレジットカード納付制度」が導入される。

 国税の納付方法には現在、
1)税務署、金融機関の窓口で現金に納付書を添えて納付する方法、
2)指定した金融機関の預貯金口座から振替納税する方法、
3)ダイレクト納付またはインターネットバンキング等を利用して電子納税する方法、
4)延納・物納(相続税・贈与税)??
という複数の方法がある。国税の納付手段の多様化を図る観点から、ここに「インターネットを利用したクレジットカード決済による納付」が加わることになった。

 これは平成28年度税制改正で創設されたもの。納付書で納付できる国税を対象としており、基本的に税目に制限はない。納税者がクレジットカード会社に納付手続きを委託し、クレジットカード会社がそれを受託した日に国税の納付があったものとみなして、延滞税や利子税等に関する規定が適用される。

 クレジットカードで税金を納めるメリットは少なくない。筆頭に挙げられるのが「時間が稼げる」こと。現金が引き落とされるタイミングが納期限より遅くなるため、資金繰りへの好影響が期待できる。インターネットを利用することで現金を持ち歩かなくていいという安心感もしかり。またクレジットカードを利用することでポイントが貯まるという旨味もある。

 デメリットは「手数料」がかかること。現行の地方税の取扱いと同じになるというが、東京都の場合、納税額1万円以下で78円。2万円以下で157円かかる。資金繰りとの見合いが必要になる。このほか、インターネット利用による情報の漏えいリスクも見逃せない。いずれにせよ自己責任になるため慎重な検討が必要だ。

 クレジットカード納付の適用は「平成29年1月4日以後に国税の納付を委託する場合」から。早くもカード会社による顧客取り込み商戦が始まっている。