「減価償却に関する会計基準の開発に着手」も~ASBJ
カテゴリ:09.企業財務 トピック
作成日:08/19/2016  提供元:21C・TFフォーラム



 企業会計基準委員会(ASBJ、小野行雄委員長)は8月12日、今後3年間の「日本基準の開発」及び「国際的な会計基準の開発に関連する活動」にあたっての基本的な方針(「中期運営方針」)を公表した。

 日本基準の開発は、「高品質で国際的に整合性のあるもの」にすることであり、その基本的な考え方として「企業の総合的な業績指標としての当期純利益の有用性を保つこと、事業活動の性質に応じて適切に資産及び負債の測定を行うこと(適切な公正価値測定の適用範囲)など」を謳っている。

 なかでも、「市場関係者のニーズを反映して日本基準を高品質なものとする取組み」として「今後の検討課題」に挙げているのが、「減価償却に関する会計基準の開発」。すなわち、「日本基準においては、固定資産の減価償却に関する会計基準が存在せず、法人税法上の損金算入について損金経理要件が定められていることに関連して、いわゆる税法基準が広く用いられている。減価償却に関する会計基準の開発を行うことは、日本基準の体系の整備につながり、日本基準の高品質化につながる可能性がある」。

 しかし、「これまで、法人税法において損金経理要件が定められる中、会計基準の開発を行うことの困難さが指摘されている項目である」ことも事実。以前もASBJでは「固定資産会計専門委員会」を設置し、平成 14年8月から平成 15年10月にわたって、海外調査の実施など固定資産の減価償却に関する会計基準を検討していたが、中断を余儀なくされた経緯がある。

 「これらの状況を踏まえ、今後、減価償却に関する会計基準の開発に着手することの合意形成に向けた取組みを行う予定」。昨今、IFRSの任意適用が拡大している環境もあり、「あるべき会計処理」を打ち出せるか、要注目だ。

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