事業承継税制の雇用確保要件を緩和
カテゴリ:05.相続・贈与税, 15.税制改正 トピック
作成日:01/13/2017  提供元:21C・TFフォーラム



 平成29年度税制改正大綱では、事業承継税制の雇用確保要件の緩和が盛り込まれた。 事業承継税制は、経済産業大臣の認定を受けた非上場会社の株式等を、後継者が現経営者から相続又は贈与により取得し一定の要件を満たした場合に、相続税・贈与税の納税が猶予される特例制度。

 この特例の適用を受けるための要件のうちの一つである雇用確保要件は、事業を承継した会社の従業員数を5年間平均で相続・贈与時の8割以上維持しなければいけないというもの。従業員数に80%を乗じて計算した数に1人未満の端数があるときは、従来、これを切り上げていたが、人手不足の影響を受けやすい従業員数の少ない小規模事業者に対する配慮から改正では切り捨てる見直しをする。

 たとえば、現行では、従業員数が5人から4人に減った場合は適用が受けられるが、4人から3人に減った場合は4人×80%=3.2人で端数を切り上げると4人になり適用されない。2人や3人の従業員数が1人少なくなった場合も同様だ。これに対して端数を切り捨てた場合はそれぞれ1人少なくても適用が認められることになる。ただし、従業員1人の企業が従業員ゼロになった場合には適用されない。

 本年1月1日以後に相続、遺贈、贈与により取得する財産に係る相続税・贈与税に適用する予定だ。