 | ２９年度国民負担率は前年度と同水準の４２．５％の見通し カテゴリ:17.財務省関係 トピック 作成日:02/13/2017 提供元:２１Ｃ・ＴＦフォーラム 国民負担率とは、国民所得に対する税金や社会保険料の負担割合だが、財務省は１０日、国民負担率が、平成２９年度予算では２８年度見込みから横ばいの４２．５％となるとの見通しを発表した。雇用環境の改善などで国民所得が増え、労使折半の雇用保険料などが下がることで前年度と同水準となる。２９年度見通しの内訳は、国税１５．２％、地方税９．９％で租税負担率が２５．１％、社会保障負担率は１７．４％。 平成２８年度見込みに比べ、租税負担率は０．１ポイント減、社会保障負担率は０．１ポイント減。社会保障負担は、この統計を開始した昭和４５年以降では最高だった２８年度（１７．５％）をわずかに下回る。国民負担率を諸外国（平成２６年実績）と比べた場合、アメリカ（３２．７％）よりは高いが、フランス（６８．２％）、スウェーデン（５６．０％）、ドイツ（５２．５％）、イギリス（４５．９％）などよりは低い。 真の負担率は、財政赤字という形で将来世代へ先送りしている負担額を加える必要がある。財務省によると、平成２９年度の国民所得（２８年度に比べ１０万８千円増の４０４万２千円）に対する財政赤字の割合は、前年度から０．４ポイント減の６．９％となる見通し。この結果、２９年度の国民負担率に財政赤字を加えた「潜在的な国民負担率」は、２８年度からは０．５ポイント減の４９．４％と、かろうじて５０％を下回る。 なお、租税負担率は、戦後は昭和２０年代前半の混乱期を除いて２０％前後で推移。しかし昭和５１年度以降、次第に上昇し始め、平成元年・２年度の２７．７％をピークに、その後はほぼ２０％台前半で推移。ＯＥＣＤ加盟３４ヵ国との平成２６年実績での比較では、比較可能な３３ヵ国中、日本（２５．０％）はメキシコ（１５．１％）、チリ（２１．３％）、アメリカ（２４．４％）に次ぐ低い水準となる。 また、平成２９年度見通しの国民負担率４２．５％は、調査開始以来、過去最高だった２７年度の４２．８％を０．３ポイント下回るものの、５年連続で４０％台の高水準の数字となる見込みだ。ＯＥＣＤ加盟３４ヵ国と２６年実績で比較した場合、日本（４２．２％）は、比較可能な３３ヵ国のなかで下から７番目に低い。ちなみに、最高はルクセンブルグの９５．３％、最低はメキシコの１７．５％（租税負担率も最低の１５．１％）だった。 「国民負担率（対国民所得比）の推移」はこちら |