配偶者の相続分の見直しなど民法改正中間試案でパブコメ
カテゴリ:14.各省庁関係 トピック
作成日:07/15/2016  提供元:21C・TFフォーラム



 法務省民事局参事官室は7月12日、法制審議会民法(相続関係)部会がまとめた「民法(相続関係)等の改正に関する中間試案」をパブコメにした。9月30日まで意見を募集する。

 配偶者の居住権を保護するための方策、遺産分割・遺言制度・遺留分制度に関する見直し、相続人以外の者の貢献を考慮するための方策が改正の検討項目。確定的な案ではないため、中間試案では同一の検討項目について複数の異なる考え方を紹介している。

 遺産分割に関する見直しでは、現行の法定相続分は配偶者の貢献の反映が不十分との批判があることから、配偶者の相続分の見直しが行われる。見直しの方向性として2案を示した。

 一つは、被相続人の財産が婚姻後に一定の割合以上増加した場合に、その割合に応じて配偶者の具体的相続分を増やすという考え方。婚姻後増加額(遺産から被相続人の婚姻時の財産を控除した額)には配偶者の貢献が高いとみて法定相続分より高い割合を乗じる一方、遺産から婚姻後増加額を控除した額には法定相続分より低い割合を乗じて、両者を足した額が現行の配偶者の具体的相続分を超える場合には、配偶者の申し立てにより、その超過分を配偶者の具体的相続分に加算できる。

 もう一つは、婚姻成立後、一定期間(例えば20年、30年)が経過した場合に、一定の要件(例えば当該夫婦の届出)のもとで、又は当然に、法定相続分を増やすという考え方。増加後の法定相続分は、子及び配偶者が相続人であるときは配偶者の相続分は3分の2に、配偶者及び直系尊属が相続人であるときは配偶者の相続分は4分の3に、配偶者及び兄弟姉妹が相続人であるときは配偶者の相続分は5分の4とする。

 今後、意見募集の結果を踏まえ、10月に再開する部会審議でさらに検討を深め成案を得る予定。