日商、消費税率引上げ時に注意すべきポイントを小冊子に
カテゴリ:03.消費税 トピック
作成日:07/08/2013  提供元:21C・TFフォーラム



 消費税を引き上げる際に、事業者が増税分を円滑に価格転嫁できるようにする特別措置法は、平成29年3月末までの時限立法として、去る6月5日に国会で成立しているが、日本商工会議所はこのほど、消費税率を引き上げるにあたって事業者が注意すべきポイントを解説した小冊子「消費税の転嫁対策特別措置法5つのポイント」を作成し公表した。

 同小冊子は、消費税の転嫁拒否等の行為の禁止とともに、事業者が営業上重要となる、消費税に関連するような形での安売り宣伝や広告の禁止や、「総額表示」義務が緩和され、「外税表示」、「税抜価格の強調表示」が認められることなどを分かりやすく解説している。
 
 まず、安売り宣伝や広告の禁止は、中小企業を含む全ての事業者に対して、平成25年4月1日以後に自己が提供する商品やサービスについて次の3つを禁止している。1番目は、「消費税は転嫁しません」など、取引の相手方に消費税を転嫁していない旨の表示。2番目は、「消費税率上昇分値引きします」など、取引の相手方が負担すべき消費税を対価の額から減ずる旨の表示であって、消費税との関連を明示しているもの。

 そして3番目は、「消費税相当分、次回の購入に利用できるポイントを付与します」など、消費税に関連して取引の相手方に経済上の利益を提供する旨の表示も禁止される。「消費税」という言葉を使わない表現については、宣伝や広告の表示全体から消費税を意味することが客観的に明らかな場合でなければ、禁止される表示に当たらないとされている。詳細は、今後、政府から公表されるガイドライン等で確認することになる。

 「総額表示」義務の緩和では、税込価格を表示しなくてもよい、つまり「外税表示」が時限的に認められ、消費税率引上げ後も本体価格が変わらないので、値札の変更などの事務負担を軽減できたり、値ごろ感を維持できる。ただし、特例として認められるには、消費者に対して、「現に表示する価格が税込価格であると誤認されないための措置を講じている」という要件を満たす必要がある。

 また、特措法では、総額表示を続ける場合にも、税込価格に併せて、「税抜価格」または「消費税の額」を表示することも可能なことを明確にしている。さらに、「税込価格が明瞭に表示されているとき」は、税抜価格を強調して表示しても、不当表示に当たらないことが明確化されている。

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