ふるさと納税未来対象を決定
カテゴリ:06.地方税 トピック
作成日:02/22/2016  提供元:21C・TFフォーラム



 西川一誠福井県知事ら13県知事でつくる「自立と分散で日本を変えるふるさと知事ネットワーク」は2月11日、東京でふるさと納税のイベントを開催し、政策的に優れたしくみで成功している5自治体を「ふるさと納税未来大賞」として表彰した。

 ふるさと納税は、今年度から控除限度額が2倍に引き上げられたこともあって、納税額(寄附額)が伸びている。過熱するブームの背景には豪華な返礼品の存在があるが、知事ネットワークでは財源に乏しい地方が政策として生かしている優れた事例を表彰することで本来の趣旨を周知しようと、イベントを実施した。

 この日、表彰されたのは北海道東川町、青森県弘前市、岩手県、埼玉県宮代町、岐阜県笠松町の5自治体。東川町は、未来を共に創る「ひがしかわ株主制度」を創設。同町を応援する人がふるさと納税で町の投資事業の「株主」になると、特別町民に認定される。株主ファームのオーナーとしてワインや農産物の成長過程からかかわり、水源の森づくりや町民との交流事業に参加できる。平成20年に415人だった株主は今年度8000人に迫り、納税額(寄附額)も1億円超えが確実だという。

 岩手県の「ふるさと岩手応援寄附」の使途は7つ。そのひとつ、「いわての学び希望基金」への納税(寄附)は、震災遺児の修学支援や部活動支援に充てられる。500人を超える遺児のために、2300人超が大学卒業時までの息の長い支援にあたっている。返礼品はなく、定期的に遺児たちの修学・活動状況のビデオメッセージ等が寄附者に送られる。

 受賞団体に共通するのは、明確な使途と参加意識の促進。税(寄附)が社会を支える実感を得られる政策意図が評価された、税制全般のあり方にも一石を投じたものといえる。