費用対効果に課題残る租税特別措置
カテゴリ:06.地方税 トピック
作成日:10/28/2013  提供元:21C・TFフォーラム



 総務省は各省庁が2014年度税制改正要望に関して実施した租税特別措置に対する政策評価全224件について点検を行った。その結果、分析や説明の内容が一定の水準に達したものはわずか44件だったことがわかった。

 租税特別措置は産業政策等、特定の政策目的を実現するために税負担の軽減を図るもの。だが、透明性の低さなどが批判され、2010年に租税特別措置透明化法が成立。適用実態を明らかにし、その効果を検証できるしくみづくりが進められてきた。総務省による点検はその一環で、政策評価書をもとに政策の合理性、手段としての有効性、補助金等他の手段と比較した相当性の観点から判断する。

 今回の点検対象となったのは、省庁別では国交省63件、経産省51件、内閣府26件、厚労省19件、農水省17件など。改正の要望内訳では新設が76件、拡充が29件、拡充・延長が29件、期限に定めのないものなどが28件だった。そのうち、一定の水準に達しているものが44件で、分析・説明の内容が不十分なものが180件だった。
 
 なかでも総務省が問題視したのが有効性(費用対効果)の観点。不十分としたすべてのケースで、効果があるとしながら具体的な根拠が示されていなかったり、減収額には触れずに効果だけを説明していた。

 国民からは実態や効果が見えにくい租税特別措置。点検結果は税制改正作業に提供されることになっているが、幅広い理解を得るためにはいっそうの情報開示、透明性の確保が求められる。