買換え特例「80%ルール」が崩壊
カテゴリ:01.法人税, 02.所得税, 15.税制改正 トピック
作成日:01/22/2015  提供元:21C・TFフォーラム



 特定事業用資産の買換え特例の最大のメリットである「80%ルール」がついに崩壊する。これは平成27年度税制改正大綱に盛り込まれたもの。特定事業用資産の買換え特例は、個人や法人が10年を超えて保有している事業用資産を譲渡し、新たに事業用資産を取得した場合に、譲渡益の80%相当額について課税を繰り延べる制度。

 同特例は平成26年12月31日で期限切れとなっているが、大綱には同29年3月31日まで延長することが盛り込まれた。ただし、適用対象は大幅に縮小。新たに取得する資産から「機械装置及びコンテナ用貨車」が除外される上、これまで一律80%だった繰延べ割合が買換え資産によって目減りする。

 具体的には、土地建物の地方から大都市への買換えについては繰延べ割合が75%に、東京23区内への買換えについては70%になる。これは「地域拠点化税制」とのバランスで地方から都市部への買換えに対する優遇税制を厳格化したもの。

 税負担の軽減効果が大きい特定事業用資産の買換え特例は個人事業者や中小企業にとって今やなくてはならない存在だが、延長の度に適用対象が縮小しており、直近の平成24年度税制改正でも買換え資産である土地の面積が「300平方メートル以上」という制限が加えられたばかり。今回さらに締め付けが厳しくなるということで、中小企業等の資産計画に大きな影響を与えそうだ。