世帯当たり年間消費税額は7.4万円増の平均約24万円に
カテゴリ:03.消費税 トピック
作成日:03/25/2015  提供元:21C・TFフォーラム



 4月から消費税率が5%から8%に引き上げられた2014年の年間消費税額は、1世帯当たり平均24万893円となり、前年に比べ7万4221円増加したことが、日本生活協同組合連合会が毎年実施している「家庭負担の消費税の調査」結果(有効回答数:34生協の608世帯)で分かった。同調査は、回答者一人ひとりが一年間の家計簿を見直し、消費支出から非課税部分(家賃や学校教育費など)を差し引いて税額を算出したもの。

 1世帯当たりの年間消費税額消費支出に占める割合は5.18%、収入に占める割合も3.60%と大きく増加。収入に占める割合は、年収400万円未満世帯が5.44%と2013年に比べて1.96ポイント増加したのに対し、1000万円以上世帯は2.94%で1.02ポイント増となり、年収400万円未満世帯の収入に占める割合が1000万円以上世帯の1.85倍となった。

 消費税率引上げの前後でどのような変化があったのか、月別の消費税負担額と前年同月比をみると、消費税率引上げ直前の3月には、駆込み需要の影響で、1月、2月に比べ前年同月比29.5%増と消費税負担額が大きく増加。一方、消費税率が8%に引き上げられた4月は、消費行動に変化がなければ60%増程度になるところだが、買控えの影響か同38.2%増にとどまっている。

 消費税率アップ後の消費行動の変化をみるため、前年の4月から12月までの消費税額を単純に8/5倍(今年の4月から12月までの消費税額とほぼ変わらない値が得られる)した試算と、今年の消費税額を比較した結果、「試算>今年の消費税額」となっているのが、400~500万円台と600~700万円台の世帯、「試算<今年の消費税額」が400万円未満と1000万円以上の世帯。800~900万円台の世帯はほとんど変わらない。

 「試算>今年の消費税額」ということは、前年よりも消費を抑え、結果として消費税額を減らし、反対に、「試算<今年の消費税額」ということは前年よりも消費を増加させ、結果として消費税額を増やしたことになる。つまり、400~500万円台と600~700万円台の世帯は消費を抑制し、400万円未満と1000万円以上の世帯はより消費を増加させ、そして、800~900万円台の世帯はほとんど消費行動を変えなかったといえる。

 400万円未満の世帯は消費を切り詰めることが難しく、消費税増税や物価上昇の影響を直接的に受けてしまったため、「試算>今年の消費税額」という形になってしまったとみられるが、400~500万円台と600~700万円台は消費を抑制、800~900万円台は変わらず、1000万円以上の世帯は消費を増加という傾向をみると、年収が高い世帯ほど消費税増税を受けても消費を抑制しなかったという傾向がある、と分析している。

 同調査結果はこちら