電子メールなど電子文書等の利用で印紙税を節税!
カテゴリ:16.その他 トピック
作成日:04/11/2016  提供元:21C・TFフォーラム



 節税は何も法人税だけではない。印紙税も税金である。無駄な印紙税を貼らないようにすることも、節税の一つ。印紙税とは、日常の経済取引に伴って作成する契約書や領収書等に課税される税金である。印紙を貼る必要のある「課税文書」に該当するものは、国税庁が「印紙税額一覧表」に列挙している。一般的に売上代金が5万円以上の領収書は、下記の要件を全て満たすため、課税文書に該当する。

 印紙税の「課税文書」とは、1)印紙税法別表第一(課税物件表)に掲げられている20種類の文書により証明されるべき事項(課税事項)が記載されていること、2)当事者の間において課税事項を証明する目的で作成された文書であること、3)印紙税法第5条(非課税文書)の規定により印紙税を課税しないこととされている非課税文書でないことの要件全てを満たすものを言う。

 ところで、領収書をWEB形式で発行したり、電子メールにより送付するなど電子的手段により行うものは電子文書とされる。この電子文書は実際に文書が交付されないことから、課税物件が存在せず、印紙税の課税要因が発生しないこととなる。例えば、WEB上で発行された領収書を証憑書類として保管するために印刷したものは、コピーした文書と同様のものと認められるため、課税文書に該当しないことから、印紙は不要とされる。

 そのほか、クレジット販売の場合は、クレジット利用伝票(お客様控)のほかに領収書を作成交付することがあるが、このケースでは領収書であっても金銭又は有価証券の受領事実がないことから、表題が「領収書」となっていても、課税文書には該当しない。したがって、この領収書には印紙を貼る必要はない。ただし、クレジットカード利用であることを領収書に明記しないと、課税文書に該当することになってしまうので、注意したい。

 近年はペーパーレス化のため、領収書に限らず、契約書や注文請書などもPDFファイル等の形式で行うことも増えてきたから、今後は印紙を貼らないような機会が増えてくると思われる。ただし、こういった電子文書により印紙税の課税を回避することは問題になっており、電子文書と紙の文書との間での課税の公平性も欠いていることから、将来的には電子文書にも課税するような法改正があるとの声も聞かれる。