書画骨董等の減価償却資産判断基準を見直し
カテゴリ:01.法人税 トピック
作成日:10/17/2014  提供元:21C・TFフォーラム



 国税庁は、書画骨董等が減価償却資産に該当するかどうかの判断基準を規定した通達を改正する。法人税法施行令では、「時の経過によりその価値が減少しないもの」は減価償却資産の範囲から除くと規定しているが、この規定だけでは書画骨董等(複製のようなもので、単に装飾目的にのみ使用されるものを除く)の美術品の場合、減価償却資産とすべきかどうか判断が難しいことから、通達で定めている。

 そこでは、1)古美術品、古文書、出土品、遺物等のように歴史的価値又は希少価値を有し、代替性のないもの、2)美術関係の年鑑等に登載されている作者の制作に係る書画、彫刻、工芸品等、は原則として減価償却資産には該当しないとするとともに、これらの基準でも明らかでない美術品等については、その取得価額が1点20万円(絵画にあっては、号2万円)未満であるものについては減価償却資産とすることができる取扱いを明示している。

 年鑑登載基準は、美術年鑑等に登載されている作者ならば、一応プロとして通用する者とみなして、その作品は減価償却資産に該当しないとするものだが、通達改正案では、著名な作家であっても美術年鑑等に登載されていない者が多くいることや、その逆もあることから、年鑑登載基準を廃止する。

 また、新鋭作家のデビュー作が1点60~80万円で取引される実態があることや、市場による一定の評価を得ることができる作者かどうかは一般に作品の価格が100万円を超えるかどうかで評価することができるといった専門家の意見等を踏まえ、取得価額基準を1点100万円未満に引き上げる。号2万円基準も廃止する。絵画の価格は、絵画の大きさに応じて決まるものではないことから他の美術品と同様、1点100万円未満かどうかで判断する。

 改正通達は、平成27年1月1日以後に開始する事業年度において有する(個人の場合、27年分以後の年分において有する)美術品等に適用するため、同日以前に取得し現在、減価償却資産としていない美術品等であっても、改正後の通達に従って判定した結果、減価償却資産として取り扱うことができるものは、27年1月1日以後に開始する事業年度から減価償却資産として償却することが認められる。

 この件はこちら