「繰延税金資産の回収可能性の判断」指針の見直しは保留
カテゴリ:09.企業財務 トピック
作成日:07/19/2013  提供元:21C・TFフォーラム



 企業会計基準委員会(ASBJ)の審議テーマを提言する「基準諮問会議」(財務会計基準機構内に設置)。4ヵ月に一度のペースで開催され、前回(3月)の第17回会議では、「実務対応報告第18号の見直し」及び「連結納税制度と企業結合会計における税効果の整合性」が新規テーマとして決定された(現在、ASBJで審議中)。

 その第18回会議が7月16日に開催されたが、作成者(産業界)から要望のあった、日本公認会計士協会(JICPA)の監査委員会報告第66号「繰延税金資産の回収可能性の判断に関する監査上の取扱い」の見直しは、新規テーマとして決定されず、保留とされた。

 作成者サイドは、第66号について、「2度にわたる税制改正によって繰越欠損金の繰越期間が延長されたこと(5年→7年→9年)に対応した見直しができていない」と指摘。見直しに当たっては、「JICPAからASBJに移管し、最近の繰越期間(9年)を前提とした内容に改定し、実務対応報告レベルの規定とする」よう要望していた。

 ただ、「財務数値に非常に重要な影響がある」、「実質的には会計基準と同様の影響がある」と考えられ、慎重な検討が必要との見方が大勢だ。特に監査人サイドは、見直しに消極的な姿勢を崩していない。今後は、ASBJの調査を受け、あらためて審議する構え。結論を得るには時間がかかりそうだ。