監査事務所等モニタリング方針示す~監査審査会
カテゴリ:13.会計士・税理士業界 トピック
作成日:05/20/2016  提供元:21C・TFフォーラム



 公認会計士・監査審査会(CPAAOB)は5月13日、より実効性のある監査の実施のために「監査事務所等モニタリング基本方針(審査・検査基本方針)」を公表した。近年の上場大企業の会計不正事案や新規公開株に関する不適切事例を契機として、改めて監査の信頼性が問われている状況などに鑑み、監査事務所等における監査業務等の適正な運営を確保させることが狙い。

 監査が形式的に監査基準に準拠しているというだけでなく、会計不正を見抜くような職業的懐疑心を発揮しているか、被監査会社の事業上のリスクを注視して監査上のリスクを評価しているか等の点を重視する。例えば、「検査」にあたっては、以下の点に留意する。

1)品質管理体制の維持向上に向け、監査事務所が整備した業務の執行の適正を確保するための措置が監査事務所の規模や特性に応じたものとなっているかについて検証。

2)被監査会社を取り巻く経済環境や企業環境等を含む事業上のリスクを適切に評価して監査手続を実施しているか検証。

3)監査事務所に根本的な原因を踏まえた有効な改善を促すことに資するような検証及び指摘内容等の的確な伝達を行う。

 なお、金融庁がまとめた「会計監査の在り方に関する懇談会」提言を受け、投資者等が会計監査に対する理解を深めることに資するよう、モニタリングの成果を「レポート」として公表する方針だ。

 詳細は、こちらを参照のこと。