2月末までに消費税転嫁拒否に対し1615件を指導
カテゴリ:03.消費税, 14.各省庁関係 トピック
作成日:03/18/2015  提供元:21C・TFフォーラム



 経済産業省では、平成26年4月の消費税率引上げを踏まえ、消費税の円滑かつ適正な転嫁を確保する観点から、公正取引委員会とも連携して、1)監視・取締り対応の強化、2)広報・事業者からの相談対応の強化策を一体的に実施し、転嫁拒否の未然防止、違反行為への迅速な是正を行っているが、16日、2月末までの主な転嫁対策の取組状況を取りまとめ公表した。

 それによると、監視・取締り対応の強化では、買手側の転嫁拒否行為に対して、転嫁対策調査官(転嫁Gメン)による監視・取締りを行っており、2月末までの累計で、違反行為が明らかになった事業者に対する指導を1615件(うち大規模小売事業者80件)、措置請求を3件、公取委による勧告・公表を15件(同2件)実施した。勧告・指導件数の内訳を業種別にみると、「製造業」が548件と全体の3割強(33.6%)を占めて最も多い。

 以下、「小売業」161件(うち勧告2件)、「運輸業(道路貨物運送業等)」158件、「卸売業」149件(同1件)、「情報通信業」146件(同1件)と続く。また、勧告・指導件数の内訳を行為類型別にみると、「買いたたき」が1320件(同15件)と全体の約8割(79.2%)を占めて圧倒的に多く、次いで「本体価格での交渉の拒否」が243件、「役務利用・利益提供の要請」が67件、「減額」が36件(同3件)となっている。

 主な指導事例をみると、「買いたたき」(消費税転嫁対策特別措置法第3条第1号後段)では、金属製品製造業のA社は、ブリキ缶の納入業者(特定供給事業者)に対して、また、卸売業のB社は、物品の運送業務を委託している事業者(特定供給事業者)に対して、ともに平成26年4月1日以後も消費税率の引上げ分を上乗せすることなく、消費税込みの委託代金を据え置いていたことが明らかになっている。

 また、プロ野球球団を運営し、球団のロゴマーク等を表示するグッズの販売等を行う(株)広島東洋カープは、グッズの納入業者に対し、消費税率の引上げ分を上乗せせずにグッズの仕入価格を据え置いていたことから、公取委により「買いたたき」として2月26日に勧告・公表されている。

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