金融庁、「積立NISA」の創設など税制改正要望
カテゴリ:15.税制改正 トピック
作成日:09/07/2016  提供元:21C・TFフォーラム



 金融庁が行った平成29年度税制改正要望は、NISA(少額投資非課税制度)の改善の一環として、「積立NISA」の創設が中心となっている。NISAについては、口座開設数が約1千万口座、買付金額が約7.8兆円となるなど、制度開始以降、着実に普及しているが、更なる普及のため、手元資金が十分でない若年層等の利用を促進する観点から、少額からの積立・分散投資に適した「積立NISA」の創設を要望したもの。

 「積立NISA」は、現行NISAとは選択的に利用可能とし、年間投資上限額は60万円、非課税期間は20年間。長期・分散投資のメリットを十分得られるよう、現行NISAよりも年間投資上限額を小さくする一方、非課税投資期間をより長期とする。長期・分散投資に適した一定の投資商品(例えばバランス型ファンド、非毎月分配型ファンド等)に限定、定期・定額での投資(積立投資)に限定し、恒久措置としての導入を目指す。

 また、現行NISAについては、投資可能期間(現行:平成35年まで)の恒久化に加え、非課税期間(5年間)終了時の対応を求めている。非課税期間終了時の対応では、例えば、26年に100万円投資し、30年に130万円と含み益が出ているケースで、口座開設者が翌年の投資枠へロールオーバー(移管)を希望した場合、年間投資上限額(120万円)を一定額超過している場合であっても、ロールオーバーを可能とする改正を求めている。

 一方で、例えば、上記と同様に、平成26年に100万円投資し、30年に80万円と含み損が出ているケースでは、原則、払出し時点の時価である80万円が課税口座に払出しとなるが、将来、時価が80万円から上がった場合は値上がり分が課税されてしまう。そこで、払出し価額は、払出し時点の時価(80万円)ではなく、そもそもの取得価額(100万円)とすることを改正要望としている。

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