「日本再興戦略」の改訂案、「IFRSの任意適用企業の拡大」謳う
カテゴリ:09.企業財務 トピック
作成日:06/20/2014  提供元:21C・TFフォーラム



 政府が6月24日にも閣議決定を予定している「日本再興戦略」の改訂。その素案が同16日開催の「産業競争力会議(第17回)」で明らかにされた。会計制度設計関係者が注視する、国際会計基準(IFRS)にも若干ではあるが言及している。

 再興戦略を構成する「一.日本産業再興プラン」中、「5.立地競争力の更なる強化 5-2 金融・資本市場の活性化、公的・準公的資金の運用等」の一環として、「(4)IFRSの任意適用企業の拡大促進」が謳われているのだ。その文言は次の通り。



2008年のG20首脳宣言において示された、会計における「単一で高品質な国際基準を策定する」との目標の実現に向け、IFRSの任意適用企業の拡大促進に努めるものとする。
 


また、従来進めてきた施策に加え、IFRSの任意適用企業がIFRS移行時の課題をどのように乗り越えたのか、また、移行によるメリットにどのようなものがあったのか、等について、実態調査・ヒアリングを行い、IFRSへの移行を検討している企業の参考とするため、「IFRS適用レポート(仮称)」として公表する等の対応を進める。
 


上場企業に対し、会計基準の選択に関する基本的な考え方(例えば、IFRSの適用を検討しているか等)について、投資家に説明するよう東京証券取引所から促すこととする。
 

 これら文言は、自民党の日本経済再生本部が5月23日に公表した「日本再生ビジョン」の提案を反映しているが、「この程度では、『2016年末までに300社程度の企業がIFRSを適用する状態にする』にはとても覚束ない」(産業界)との声も。「閣議決定前に、適用拡大に繋がる更なる次善策を盛り込めるかどうか」を巡り、関係者が頭を悩ましている。