国税庁、税務CG良好なら調査間隔1年延長
カテゴリ:12.国税庁関係 トピック
作成日:07/21/2016  提供元:21C・TFフォーラム



 国税庁はこのほど、大企業に向けた「税務に関するコーポレートガバナンスの充実に向けた取組み」についてホームページ上で公表した。

 「税務に関するコーポレートガバナンス(税務CG)」とは、税務について企業の代表取締役などの経営責任者が自ら適正申告の確保に積極的に関与し、必要な内部統制を整備すること。大企業の税務コンプライアンスの維持・向上には税務CGの充実が重要、かつ、効果的ということで、今回の取組みにはこれを促進する目的がある。ちなみに、ここでいう「大企業」とは、資本金1億円以上の国税局調査部所管の法人を指す。

 同取組みの概要は、税務CGの確認→税務CGの判定→トップマネジメント(経営責任者)との面談→判定結果の活用??という流れ。

 税務調査などの機会を利用して対象法人に、トップマネジメントの関与・指導や、内部牽制の働く税務・会計処理手続きの整備・運用、税務に関する情報及び再発防止策の社内への通知などに関する「税務に関するコーポレートガバナンスの確認表」の記載を依頼し、内容を確認。税務CGの判定結果は、調査必要度の重要な判断材料として活用される。

 税務CGの状況が良好な法人については、一定の情報開示等を条件に次回調査までの間隔が1年延長される。ここでいう「一定の情報開示」とは、組織再編における適格組織再編か否かの判定、特別損失計上取引の処理、仮受金や仮払金計上取引の処理など、国税当局と見解の相違が生じやすい取引を調査省略時に自主的に開示すること。これを受けた当局が適正処理を確認し、問題がなければ調査間隔が延長される。

 税務に関するコーポレートガバナンスの充実により税務コンプライアンスが向上すれば、企業側にとっては税務リスクの軽減や税務調査対応の負担軽減に、国税当局側にとって調査必要度の高い法人への税務調査の重点化が図れ、双方にメリットがある。