介護福祉士等による喀痰吸引等の費用に係る医療費控除で文書回答
カテゴリ:12.国税庁関係 トピック
作成日:01/15/2013  提供元:21C・TFフォーラム



 国税庁はこのほど、介護保険制度で行われる介護福祉士等による喀痰吸引等について、居宅サービス等に要する費用に係る自己負担額の10分の1を医療費控除の対象として差し支えないかとの厚生労働省の文書照会に、その取扱いで問題ない旨回答した。

 介護サービスの基盤強化等のために行われた平成24年4月の「社会福祉士及び介護福祉士法」の一部改正により、一定の研修後、登録認定を受けた介護職員等は、一定の条件の下でたんの吸引や経管栄養等の行為を実施することができるようになった。そして24年度税制改正での所得税法施行令の見直しにより、24年4月1日以後に支払う介護福祉士等による喀痰吸引等の費用が医療費控除の対象とされたことから、24年分の所得税確定申告に合わせ厚生労働省が喀痰吸引等の対価に係る医療費控除の取扱いについて確認のために照会した。

 照会に対し国税庁では、1)介護保険制度の下における喀痰吸引等は、介護保険法に基づき特定施設入居者生活介護などによる居宅サービス等の下、介護福祉士等により要介護者及び要支援者の心身の状況に応じた介護の一環として実施されており、喀痰吸引等に係る対価の額は居宅サービス等の費用の総額に含まれていること、2)喀痰吸引等に係る対価の額は、各居宅サービス等における個々の実施状況で算出すべきものの、各居宅サービス等において喀痰吸引等の部分を特定してその対価の額を算出することは介護保険制度上不可能であることを挙げるとともに、「居宅サービス等の対価として支払う金額のうち、喀痰吸引等に係る対価として医療費控除の対象となる金額を、合理的な方法で明示していくことが必要」と説明。

 その上で、厚生労働省が示した訪問看護での喀痰吸引等の所要時間は訪問時総所要時間の約10%(喀痰吸引等に係る所要時間の割合が10分の1)とする調査結果を踏まえ、「居宅サービス等における喀痰吸引等に係る費用割合もこの割合で算定することが合理的であるととともに、居宅サービス等事業者及び居宅サービス等の利用者の利便及び画一的な実施という観点から、同様の取扱いとすることが適当」判断。喀痰吸引等の費用に係る医療費控除額は、居宅サービス等に要する費用に係る自己負担額の10分の1が相当であると回答した。