ビール系飲料の税額一本化見送りへ
カテゴリ:15.税制改正 トピック
作成日:10/22/2015  提供元:21C・TFフォーラム



 ビール系飲料の税額一本化が見送られる見通しとなった。ビール系飲料とは、ビールや発泡酒、第三のビールの総称。原材料や製法の違いなどにより税額が異なり、1缶(350ミリリットル)あたりの酒税額は現在、ビールが77円、発泡酒が46.98円、第三のビールが28円となっている。

 同じ「ビール系飲料」であるにもかかわらず税額が異なるため、一般消費者にとっては分かりづらい。また政府にとっても税額の低い第3のビールの登場により税収が落ち込みやすいという問題がある。

 そのため平成27年度税制改正大綱には、将来的にビール系飲料の税額を一本化する方針を明記。そして平成28年度税制改正で税額を一律「55円程度」とし、ビール系飲料全体の税収を増減させない方向で検討していた。

 ここへきて政府が「税額一本化」を見送ることとした理由は、消費税10%への引上げ時に導入する軽減税率の制度設計を優先するため。来年春の参院選を控え、増税色の強い改正を避けたい狙いもある。税額を一本化すると、ビールは減税になるが発泡酒や人気の第三のビールは増税になるからだ。

 税額一本化は平成29年度税制改正に先送りする見通し。しばらくは発泡酒や第三のビールを低い税率で楽しむことができそうだ。