経団連、GDP600兆円経済の実現に向けた改正を提言
カテゴリ:15.税制改正 トピック
作成日:09/28/2016  提供元:21C・TFフォーラム



 日本経団連は平成29年度税制改正に関する提言を公表し、今後、わが国が長引くデフレから真に脱却し、経済再生を果たし、名目GDP600兆円を実現するために、成長戦略の根幹となる第四次産業革命(Society 5.0)を強力に推進することが極めて重要とし、こうした点を踏まえ、わが国企業の競争力の根幹を支える税制について、維持・拡充を図り、経済成長をさらに加速させるべきとの考えを示した。

 提言は、GDP600兆円経済の実現に向けた法人課税のあり方について、まず、将来的にOECD諸国平均や競合アジア近隣諸国並みの法人実効税率25%の実現を目指すことを掲げた。次に、研究開発税制の維持・拡充を要望。わが国がイノベーションを通じて新しい価値を創出するために、研究開発投資を促進させ、企業の持続的な発展・中長期的な利益の増大につなげていくことがGDP600兆円の実現のための重要なポイントと指摘。

 研究開発税制について、1)総額型は、わが国の研究開発を支えるまさに根幹であり、維持が不可欠、2)増加型・高水準型についても存続が前提であり、特に、研究開発に重点を置く企業の活動を中長期的に支援するため、高水準型の果たす役割は大きい、3)さらに、IoTやビッグデータ、人工知能(AI)、ロボットなどの技術を活用したサービスの改善を研究開発税制の対象に含めるなどして、対象範囲を拡充することを提案している。

 また、経済の活性化・さらなる成長の加速化に向けた設備投資等の喚起のため、引き続き、企業の設備投資に対する意欲を喚起する税制上の措置を検討することが重要と指摘。特定事業用資産の買換特例は、特に、製造業などが不稼動遊休資産等を処分する際にも広く活用されており、制度の維持が必要。加えて、買換先に機械装置および工具を加えるなどして、幅広く設備投資を促進すべきとした。

 そのほか、消費税については、財政の健全化や社会保障制度の持続可能性の確保により安定した成長基盤を創出するとともに、平成32年度のプライマリーバランスの黒字化の目標を達成するために、引き続きわが国にとって消費税率の引上げは不可欠と指摘。消費税率8%への引上げ以来、消費の回復が遅れている現状も踏まえ、需要減・反動減対策を万全にしつつ、平成31年10月に予定通り着実に消費税率10%へと引上げるべきと提言した。

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