税制改正大綱に税理士制度見直しの検討を明記
カテゴリ:13.会計士・税理士業界, 15.税制改正 トピック
作成日:12/24/2010  提供元:21C・TFフォーラム



 平成23年度税制改正大綱では、「検討事項」のトップに税理士制度について、「納税者権利憲章の制定や税務調査手続の見直しなど納税環境整備に係る諸課題が進展し、その一環としての租税教育の重要性も一層高まる中、税理士の果たすべき役割は今後益々重要になっていくものと考えられます。税理士制度については、平成23年度中に見直しの必要性や方向性について結論を出すこととされていますが、その見直しに当たっては、税理士を取り巻く状況の変化に的確に対応するとともに、引き続き納税者の利便性の向上を図り、税理士に対する納税者からの信頼をより一層高めるとの観点をも踏まえつつ、関係者等の意見も考慮しながら、検討を進めます」と明記された。

 この伏線は、12月9日に開かれた第19回税制調査会での中野寛成民主党税制改正PT座長(民主党税理士制度推進議員連盟会長)の発言にあった。

 中野座長は、「財務省・国税庁が、税理士のあるべき姿、その社会的な役割・任務・使命について関心を持ってもらいたい。税理士の果たす役割というのは、納税環境の中でも大変大きな役割を示すことになる」。そして、「平成23年に税理士法の見直しをすることが決まっている。単に1行や2行、税制改正大綱に書くのではなく、掘り下げた意識を持って検討していただきたい」と財務省に要望した。

 大綱は、これを反映したものとなった。大綱を受け日本税理士会連合会(日税連)では、「税制改正大綱においても、税理士法の見直しに対してご理解をいただいた」との会長コメントを出した。

 前回の税理士法改正作業に倣えば、日税連で検討中の見直し案をもとに、今後、財務省主税局、国税庁との勉強会を経て、税理士法改正法案の国会提出となる。一部で誤解されていたようだが、平成23年は、あくまで見直しの結論を出す年であって政府が改正法案を国会に提出する年ではない。勉強会等の作業スケジュールを考えれば法案提出はどんなに早くても平成24年以降となる。