夏期休暇中の“ビジネス”に注意!!
カテゴリ:01.法人税 トピック
作成日:08/04/2016  提供元:21C・TFフォーラム



 夏期休暇を利用して訪れた海外旅行先に取引先の現地法人がある場合、「どうせ行くなら挨拶でも」と考える社長さんは少なくないはず。観光の予定を調整し、手みやげの一つも持参してはるばる訪問すれば、観光旅行にビジネスの色彩が混じってくる。…となれば、旅行費用の一部を「旅費」にカウントできないかと考えてしまいがちだが、税務署はそんなに甘くないので注意が必要。

 その海外渡航が、会社の業務上必要なものであり、かつ、通常必要と認められる金額である場合には、「旅費」として損金算入が認められる。しかし、その海外出張に業務遂行上必要とは認められない部分がある場合や、必要と認められる支出でも異常に高額な場合には、その認められない部分や高額な部分が、その海外出張に行った役員や従業員への給与として取り扱われることになる。

 コテコテの海外出張であっても、仕事の合間に少し観光をしただけで上記の取扱いの対象となるのだから、「観光の合間に少しだけ仕事(挨拶)」ということであれば旅費扱いとなる余地は極めて低いと考えておいたほうがいい。「旅費扱い」としたいのであれば、商談や視察などビジネスに絡めて現地を訪れる必要がある。

 なお、仕事と観光を兼ねて海外出張に行った場合、かかった旅費を「業務遂行上必要と認められる旅行の期間」と「認められない旅行の期間」との比等により按分し、後者にかかる部分の金額については渡航者への「給与」として扱う必要がある。

 ただし、その海外渡航の主目的が特定の取引先との商談や契約締結など業務遂行であり、観光はあくまで「おまけ」であるような場合には、その往復の旅費については「業務遂行上必要と認められるもの」とし、その海外渡航に際して支給する旅費の額から控除した残額を按分計算の対象とすることができる。