有料老人ホームの入居一時金の「預り証」は売上代金の領収書
カテゴリ:12.国税庁関係 トピック
作成日:07/19/2016  提供元:21C・TFフォーラム



 東京国税局はこのほど、(公社)有料老人ホーム協会からの預り証に関する事前照会に対し、照会のとおりの取り扱いとはならないとする文書回答を行った。

 照会は、有料老人ホームが入居者から受領する入居一時金に対して受領を証明する「預り証」が、印紙税法別表第一課税物件表ある「売上代金に係る金銭又は有価証券の受領書」(第17号の1文書)と「金銭又は有価証券の受領書で売上代金に係るもの以外のもの」(第17号の2文書)のどちらに当たるのかというもの。

 これについて同協会は、入居一時金が、老人福祉法上、一定期間を経過するまでは、返還義務を負っていることから、返還義務が消滅した時点においては「売上代金」に該当するが、入居一時金を受領した時点においては、返還義務を負った「預り金」としての金銭の受領であり、印紙税法別表第一第17号文書定義にある売上代金に該当しない各種返還金等に当たり、「金銭又は有価証券の受領書で売上代金に係るもの以外のもの」に該当すると説明した。

 しかし、東京国税局は照会に対し、入居一時金が、1)老人ホームが入居者から終身にわたって利用するための家賃相当額の全部又は一部を前払金として一括で受領するものであること、2)老人ホームが入居者との間で締結する有料老人ホームの入居に係る契約において、目的施設を終身にわたって利用するための家賃相当額に充当するものであり、権利金又は対価性のない金品に該当しないとされていること、3)老人福祉法上、家賃、敷金及び介護等その他の日常生活上必要な便宜の供与の対価として受領するものであるとされていること、の3点を挙げた。

 その上で、「入居者が老人ホームに入居した日から一定期間を経過する日までの間に、契約が解除されるなど一定の事実が生じた場合には、契約が解除された以降の期間に対応する部分を返還することとされていても、家賃等(資産を使用させること及び役務の提供をすること)の対価と認められる」として、売上代金に当たると判断。

 東京国税局の見解と前置きした上で、預り証は「売上代金に係る金銭又は有価証券の受領書」(第17号の1文書)に該当すると回答した。

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