注目のマイナンバー法案審議入りへ
カテゴリ:06.地方税 トピック
作成日:05/07/2012  提供元:21C・TFフォーラム



 社会保障と税の一体改革で税・医療・介護・年金などの個人情報を一元的に管理・運用する共通番号制度、「マイナンバー」法案の審議が国会で始まる。かつて住民基本台帳ネットワーク導入の際は、個人情報保護の観点から接続を拒否する自治体も出るなど大きな社会問題となっただけに、今回も論議のゆくえが注目されそうだ。

 マイナンバー制度では住民票を有するすべての個人と法人等に付番し、複数の機関が同一人の情報を紐付けて相互に活用する。本人確認のしくみとして、市町村が現在の住基カードを改良したICカードを交付するが、カードには番号と住基4情報、顔写真を登載することで成りすまし犯罪等を防止する。不正アクセスなどの行為に対しては罰則を創設し、内閣総理大臣の下に個人情報保護を目的とする第三者委員会を設置するというもの。

 マイナンバーが地方税事務に与える影響も大きい。現在、自治体では課税資料の名寄せや突合作業に手間がかかっているが、マイナンバー制が導入されれば、確定申告書や個人住民税の申告書情報、給与支払報告書などから得られる課税情報と市町村が有する住民情報を番号で名寄せして的確、効率的に所得情報が把握できるようになる。

 税務事務で得られる個人住民税の情報は、自治体の行う住民サービスや各種の負担額にも影響する。国民健康保険の保険料(税)、後期高齢者医療制度や障害者自立支援制度の自己負担額、養護老人ホームの入所措置要件などは課税総所得金額や税額、非課税などの情報が用いられるからだ。

 ただし、番号制度に対応するシステム改修に多額の費用がかかることやセキュリティの向上対策などが早くも課題として指摘されている。