1万2千円超の市販薬に「医療費控除の特例」
カテゴリ:15.税制改正 トピック
作成日:12/21/2015  提供元:21C・TFフォーラム



 厚生労働省と財務省が検討してきた“市販薬控除”がいよいよ実現しそうだ。このほど決定した平成28年度税制改正大綱には、軽い症状であれば病院に行かず市販薬で治療するセルフメディケーション(自主服薬)推進のための施策として、「スイッチOTC薬控除」 (医療費控除の特例)の創設が盛り込まれた。

 「スイッチOTC薬」とは、これまで医師の処方箋が必要だった医療用医薬品を、街の薬局で処方箋なしで買えるようにしたもの。OTCは「Over The Counter」の略で、薬局のカウンターで買える薬、つまり市販薬のことを指す。

 大綱によると、自分や生計を一にする家族のために「スイッチOTC薬」を購入した場合、年間1万2千円を超える部分の金額を、8万8千円を限度として総所得金額等から控除できる。適用は平成29年1月1日から同33年12月31日までの5年間。現行の医療費控除との選択適用となる。

 「スイッチOTC薬」は、使用実績があり、安全性の高い成分を配合している市販薬を指し、解熱鎮痛剤の「イブプロフェン」や「ロキソニン」、胃腸薬の「H2ブロッカー」、筋肉痛・関節痛薬の「インドメタシン」などがよく知られている。しかし薬局で販売されている薬に「スイッチOTC薬」と表記されているわけではないため確認が必要になる。