日税連規制改革委が「マイナンバー法案に対する意見要望」まとめる
カテゴリ:13.会計士・税理士業界 トピック
作成日:01/09/2013  提供元:21C・TFフォーラム



 先の臨時国会で、「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律案」(「マイナンバー法案」)が、審議未了で一旦廃案となったが、自民・公明の連立与党は、同法案を今通常国会で成立させ、施行時期を平成28年からに1年先送りする方針を示している。一方、日本税理士会連合会(池田隼啓会長)の規制改革対策特別委員会(冨田光彦委員長)はこのほど、「マイナンバー法案に対する意見・要望~行政機関と国民・納税者の信頼関係構築のために~」をまとめた。

 意見・要望によると、税制において番号制度を導入することは、法人や個人事業者の所得把握に限界があるものの、その牽制効果は間接的に申告水準の向上をもたらし、課税漏れのない適正な申告などの実現に寄与するものと考えられる。また「社会保障・税番号大綱」では、1)より公平・公正な社会、2)社会保障がきめ細やかかつ的確に行われる社会、3)行政に過誤や無駄のない社会、4)国民にとって利便性の高い社会、5)国民の権利を守り、国民が自己情報をコントロールできる社会を実現することを理念としている。

 同会は、こうした番号制度の導入の趣旨に賛同するとし、さらに法案段階で不足している事項を改めて指摘し、今後の政省令の整理や運用等に資するために要望するとしている。

 マイナンバー制度全般について、「セキュリティの確保に万全を期す」――番号を取扱う市町村においては、財政規模や人員数が様々で、個人情報保護にバラツキが生じる可能性があり、さらなるセキュリティ対策が必要。「個人番号関係事務実施者の事務負担が過度にならないよう配慮する」――中小企業を中心に、個人番号関係事務の過度な事務負担を強いることがあってはならない。「民間利用について十分な検討を」――番号制度を民間事業者においてどこまで活用するかについては、十分な検討が行われているとはいえず、法文化は時期尚早である。その他、「個人番号情報保護委員会の体制整備については運用後に懸賞を行う」「個人番号情報保護委員会の委員に税理士を登用する」ことを要望している。

 税分野については、「申告納税制度を補完する制度であること」、「マイ・ポータルにおける第三者のアクセスの仕組みを整理すること」、「現在の法定調書の範囲で運用をスタートすること」、「マイ・ポータルとe-Tax及びeLTAXとの将来的な連携を検討すること」を求めている。