国境を越えた役務提供で消費税の課税を見直し
カテゴリ:03.消費税, 15.税制改正 トピック
作成日:03/18/2016  提供元:21C・TFフォーラム



 国境を越えた役務の提供等に対する消費税の課税関係を見直し、内国法人の国外支店が国外事業者から受けるインターネットによる役務の提供等は、課税の対象外とする。参院で現在審議中の平成28年度税制改正法案に盛り込まれている。

 27年度税制改正では、インターネットにより国境を越えて電子書籍や音楽、広告の配信等の提供が行われたときの消費税の課税対象(国内取引に該当するか否か)の判定基準を「役務の提供を行う者の所在地」から「役務の提供を受ける者の所在地」に見直した。

 しかし、「役務の提供を受ける者の所在地」とは、企業の場合、本店所在地で判定するため、内国法人の国外支店が受ける役務の提供等では、実質的に国外で役務の提供を受けているにもかかわらず、消費税の課税対象とされている。

 これに対し海外主要国では、「役務の提供を受ける固定的施設の所在地」を課税対象の判定基準としていることから、日本の金融機関等の国際的な競争力を高める必要があるとして、見直しが要望されていた。

 改正により、国内事業者の場合、国外事業所等で受けるインターネットによる事業者向け役務の提供のうち、国外で行う資産の譲渡等にのみ要するものは国外で行われたものとして消費税の課税対象外にする。一方、国外事業者の場合、国内の支店(恒久的施設)で受けるインターネットによる事業者向け役務の提供のうち、国内で行う資産の譲渡等に要するものは、国内で行われたものとして消費税の課税対象にする。平成29年1月1日以後に行われる役務の提供から適用する。