今年6月末の「国の借金」、1053兆円に膨張
カテゴリ:17.財務省関係 トピック
作成日:08/17/2016  提供元:21C・TFフォーラム



 財務省はこのほど、平成26年6月末現在の国債及び借入金等の現在高を発表し、国債や借入金などを合計した国の借金は、26年6月末時点で1053兆4676億円にのぼったことを明らかにした。6月末現在の国の借金は、今年3月末からは4兆1015億円増加した。これは、全体の9割近くを占める国債の残高が918兆4764億円となり、今年3月末から7.7兆円も増加したことが要因とみられている。

 国の借金は財務省が四半期ごとに公表しているが、国債は今年6月末から約7.7兆円増の約918.5兆円で全体の約87%を占め、うち普通国債(建設国債+赤字国債)は、同約11.3兆円増の約816.8兆円(うち復興債が約7.1兆円)と過去最高を更新した。特に、普通国債のうちの長期国債(10年以上)は同約11兆円増加して585兆7892億円とこちらも過去最高となった。

 この国の借金1053兆4676億円は、平成28年度一般会計提出予算の歳出総額96兆7218億円の約11倍、同年度の税収見込み額約57兆6040億円の約18倍となる。年収500万円のサラリーマンが9000万円の借金を抱えている勘定だ。おまけにこのサラリーマンの家計は年間約833万円の収入が必要なのに、約333万円の不足分は借金で賄っている状況だ。

 我々の一般家庭であればとっくに破産している。もっと分かりやすくいえば、わが国の今年7月1日時点での推計人口1億2699万人(総務省統計、概算値)で割ると、国民1人あたりでは約830万円の借金を抱えていることになる。リタイアしたご老人や赤ちゃん、子どもを含めての数字である。

 なお、平成28年度末の国の借金は、6月末実績の約1053.5兆円からさらに約137.9兆円増えて1191.4兆円になる見込み。これは、政府が8月2日に閣議決定した大型の経済対策の財源を賄うため、公共事業に使う建設国債などを追加発行する予定があるなどのため。普通国債は6月末実績値に比べ約21兆円増の837.8兆円、国庫の資金繰りや円売り介入などに備えて発行する政府短期証券が同約116.4兆円増の約198.7兆円となる見込みだ。

 平成28年6月末現在の国債及び借入金等の現在高はこちら