「財産債務明細書」の見直しに注意!
カテゴリ:02.所得税, 15.税制改正 トピック
作成日:03/12/2015  提供元:21C・TFフォーラム



 平成27年度税制改正では、「財産債務明細書」が「財産債務調書」に“格上げ”される。

 「財産債務明細書」は、年間所得2千万円超の人が税務署に提出する書類。12月31日時点で所有する財産・債務の種類や数量、価額を書いて確定申告時に提出する。納税者にしてみれば、わざわざ資産情報を税務署に知らせるために面倒な作業を強いられるということになるが、罰則規定がないため未提出を決め込むケースも少なくなかった。

 平成27年度税制改正では、この財産債務明細書が「財産債務調書」に改名された上で、対象者が絞り込まれる。具体的には、年間所得2千万円超の人のうち、「年末に保有する総資産が3億円以上」か「年末に保有する有価証券等が1億円以上」である者。このいずれかに該当する場合には、現行の記載事項て?ある「財産の種類、数量およひ?価額」に加え、財産の所在や有価証券の銘柄など、国外財産調書の記載事項と同様の記載を求められることになる。

 未提出の場合は国外財産調書と同様、財産債務調書の提出の有無等により、所得税や相続税にかかる加算税が加減算されるので注意が必要。適用は平成28年1月1日以後の提出分から。つまり平成27年分の所得から適用対象だ。

 これまでは対象者の基準が「所得2千万円超」のみであったため、土地や有価証券などを持つ相当な資産家でも所得がなければ提出は不要だったが、今後は隠れた資産家も対象になってくる。未提出へのペナルティも設けられるため、資産家は今一度改正内容をチェックし、慎重に対応する必要がある。