調査の現場ではいま「メール調査」が主流に
カテゴリ:16.その他 トピック
作成日:09/26/2013  提供元:21C・TFフォーラム



 税務調査シーズン真っ盛りだが、調査の現場ではいま、メール調査が主流となっている。メール調査とは、税務調査に入った企業のパソコンから怪しいメール情報を抜き出して、申告漏れ等の端緒を掴む調査のこと。電子帳簿保存法を根拠とした足場の堅い調査手法で、近年の税務調査では欠かせない存在となっているという。

 調査にあたっては、まず必要な情報を抽出するためキーワードで怪しいメールを絞り込む。使われるキーワードは、「売上」、「仕入」、「棚卸」、「現金」、「調整」、「口座」、「決算」、「報告」、「利益」、「税務」など。注文方法や店舗名、得意先名などもキーワードになる。

 こうして絞り込んだメールについて一つひとつ検討を開始。売上注文メールでは売上除外されたものはないか、受注確認メールでは振込先に簿外預金口座が記載されたものはないか、仕入れ発注メールでは除外された売上に対応するものはないかなどを見ていくという。

 会社のメールから把握できる情報は、顧客からの注文、事業者間取引の見積もりや受発注、請求書や納品書の添付、受領や支払いの確認、代表者等から社員等への業務指示、支店・工場等から本社への業務報告など。メールにはかなりの情報が詰まっていることから、メール調査を足がかりとして大きな不正が見つかるケースは少なくないという。業務用メールの管理は慎重に行う必要がありそうだ。