関心が高まるなか、賢く活用したい贈与税
カテゴリ:05.相続・贈与税 トピック
作成日:06/10/2015  提供元:21C・TFフォーラム



 先日国税庁が発表した平成26年分所得税等の確定申告状況によると、贈与税の申告納税額が前年に比べ63%増と大幅に増加したことが明らかになっている。これは、平成26年度税制改正において、今年1月から相続税の課税ベースが拡大し最高税率も上がることなどから、改正前に贈与する人が増えたとみられている。こうしたことを背景に最近、贈与税への関心が高まっている。

 個人が財産の贈与を受けると、通常は贈与税の課税対象となるが、その財産の性質や贈与の目的等からみて例外的に贈与税が課税されない非課税財産がある。また、本来は贈与税が課税される場合であっても、一定の範囲内のものについて、例外的に贈与税が課税されない場合がある。相続税が課税強化されたなか、こうした知識を身につけて、賢く贈与税を活用して節税したいものだ。

 贈与税の非課税財産には、まず、贈与税以外の税目でも課税されない財産がある。いずれも一定の要件があるが、例えば、「扶養義務者から生活費や教育費として贈与を受けた財産」や「社交上の贈答品や香典など」、「婚姻の取消又は離婚により取得した財産」、「特定障害者扶養信託契約に基づく信託受益権」などがある。次に、他の税目で課税を受ける財産(贈与税は課されない)として、例えば、「相続開始の年に被相続人から贈与を受けた財産(相続税の課税対象)」や「法人からの贈与により取得した財産(所得税等の課税対象)」がある。

 また、本来は贈与税が課税されるが、例外的に贈与税が課税されない場合がある。このケースも、いずれも一定の要件があるものの、例えば、「親子間などの無償の土地や建物の貸借」や「親子間などの無利子の金銭貸借」、「本来の所有者でない人への財産の一定の名義変更後に本来の名義に戻した場合」、「夫婦間で一定の居住用財産などを贈与した場合」などが挙げられる。