団地の管理組合は人格のない社団等に該当すると判断、棄却
カテゴリ:01.法人税 裁決・判例
作成日:07/15/2014  提供元:21C・TFフォーラム



 団地の管理組合が人格のない社団等に該当するか否か、また団地の共用部分の賃貸収入が管理組合の収益事業に該当するか否かの判断が争われた事件で、国税不服審判所は、管理組合は人格のない社団等に該当し、共用部分の賃貸収入は不動産貸付業として収益事業に該当するとともに、その収益は管理組合に帰属すると判断して、審査請求を棄却した。

 この事件は、団地の管理組合が審査請求したもので、共用部分の一部を無線基地局等の設置のため携帯電話会社に賃貸して得た収入をめぐり、原処分庁が団地の管理組合は人格のない社団等に該当し、その収入は管理組合の収益事業に該当すると認定、法人税の決定処分及び無申告加算税の賦課決定処分をしてきたため、管理組合側が、賃貸収入は団地建物の各区分所有者の不動産収入であって管理組合には帰属しないと主張、原処分の全部の取消しを求めたという事案である。管理組合側は、人格のない社団等という言葉は一般的に知られておらず、原処分庁が周知や指導をしていないのであるから、その認識がない旨主張した。

 しかし裁決は、法人税法2条8号が、法人でない社団又は財団で代表者又は管理人の定めのあるものを「人格のない社団等」と定義し、人格のない社団等とは、1)団体としての組織を備え、2)多数決の原則が行われ、3)構成員の変更にかかわらず団体が存続し、1)その組織において代表の方法、総会の運営、財産の管理等団体としての主要な点が確定している団体をいうと法令解釈した上で、管理組合規約によれば、1)ないし4)の要件を充足する団体であると認められるから、人格のない社団等に該当すると判断。また、共用部分の賃貸収入も不動産貸付業として収益事業に該当し、その収益は管理組合に帰属すると判断して棄却している。

(国税不服審判所、13.10.15裁決)