中小企業の消費税引上げの賛否、「反対」が8割強
カテゴリ:03.消費税 トピック
作成日:05/23/2016  提供元:21C・TFフォーラム



 来年4月予定の消費税率10%への引上げを再延期する可能性が出てきたが、大阪シティ信用金庫が府内の取引先企業を対象に4月上旬に実施した「中小企業における消費税引上げの賛否等に関する調査」結果(有効回答数1284社)によると、消費税引上げの賛否は、「大いに賛成」と答えた企業は 4.8%、「どちらかといえば賛成」が14.0%と、これら「賛成」とする企業の合計は18.8%だった。

 これに対し、「どちらかといえば反対」と答えた企業が42.5%、「絶対に反対」が38.7%あり、これら「反対」とする企業の合計は81.2%と8割強にのぼった。このように、来年4月の消費税引上げには、中小企業の大多数が反対していることが明らかになった。業種別にみると、小売業は「絶対反対」が54.1%と過半数を占め、「反対」とする企業の合計は88.0%に達して最も多くなっている。

 引上げ賛成の理由(複数回答)は、「財政再建が重要だから」と答えた企業が 85.5%で圧倒的に多く、次いで「一旦決めたことは守るべき」が16.5%など。対して反対の理由(同)は、「景気が悪くなるから」と答えた企業が77.6%で最多、次いで、「自社の売上が低下するから」が42.1%、「財政再建より景気回復を優先すべきだから」が31.3%となっており、「決め事も状況に応じ変更すべきだから」は14.4%だった。

 予定どおり消費税が10%まで引き上げられた場合の増税分の価格転嫁の見込みについては、「全額転嫁できる」は24.7%と4社に1社程度にとどまった。これに対し、「一部しか転嫁できない」が48.9%で最多、さらに「全く転嫁できない」とする最も厳しい見通しの企業が26.4%あった。また、軽減税率の導入については、「賛成」が46.0%で最多、「反対」は12.3%。一方、「分からない」と答えた企業も41.7%と多かった。

 仮に、来年4月の消費税引上げが中止された場合の今後の引上げスケジュールについては、「期限を定めず時期を探るべき(無期延期)」と答えた企業が55.5%で最も多く、「一旦白紙に戻すべき(白紙撤回)」と答えた企業も29.9%あり、これら今後の引上げに否定的な考えの合計は85.4%にのぼった。これに対し、「期限を定め早期引上げを目指すべき」と答えた企業は14.6%にとどまっている。

 同調査結果はこちら