サラリーマンのNISAの認知度が上昇も活用は今一つ
カテゴリ:16.その他 トピック
作成日:07/06/2015  提供元:21C・TFフォーラム



 サラリーマンのNISAの認知度は、金融機関の広告活動やメディアでの取り上げなどで高くなっており、「知っている」との回答は63.5%と2014年(3月~4月に実施)より5ポイントほど上昇したことが、フィデリティ退職・投資教育研究所が全国の20~59歳のサラリーマンを対象に5月に実施した「NISA(少額投資非課税制度)に関する調査」結果(有効回答数1万2177人)で分かった。

 しかし、認知度が上がっても必ずしもうまく活用できていない。NISA認知者の47.6%の人が「口座を開設するつもりはない」と答え、NISA口座開設に当たって「どうしたらいいかわからない」と回答した人も急増した(2013年5.2%→2015年24.4%)。またNISA内で保有している(または保有したい)金融商品を聞くと、「何を選んでいいのかわからない」人が45.3%にのぼっている。

 NISA利用方法として、積立投資を行っているのはNISA口座開設者の13.0%にとどまる。ただ、地方銀行ではこの比率は20.0%、都市銀行では18.8%と、証券会社の8.7%を大幅に上回っている。また、NISA口座内で既に売却した人も1.0%とわずかながら見受けられた。株価の大幅上昇で利益確定売りもあるだろうが、「NISAは毎年売却をしなければならない」(8.0%)といった誤解に基づくものも散見される。

 NISAの改善要望も根強い。改善を要望した比率は2014年の62.2%から2015年は58.5%に低下したとはいえ、NISA認知者の過半数が何らかの改善を求めている。指摘が多かった項目は「5年の非課税期間の撤廃」(30.7%)だった。次いで「年間100万円の非課税投資上限の引上げ」(26.6%)だが、2015年度改正で来年から120万円に引き上げられることが決定しており、まだ不足という意見として理解できる。

 NISA口座内で金融商品を保有したい期間は、非課税期間の5年以下を想定している比率は37.8%、5年超を想定は32.4%(できるだけ長くを含む)と拮抗し、平均値は10.4年となった。同様にもし5年の非課税期間が撤廃されたらとの質問では、5年以下が23.0%に低下、5年超は48.8%へと大幅に増加し、平均保有期間は14.9年となった。非課税期間の撤廃が投資期間の延長に大きく寄与するような結果となった。

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