配偶者控除見直し議論が加速
カテゴリ:02.所得税, 15.税制改正 トピック
作成日:05/07/2015  提供元:21C・TFフォーラム



 配偶者控除の見直しに向けた動きが加速している。自民党税制調査会は4月23日、非公式の幹部会を開き、消費税の軽減税率や配偶者控除の見直しなど来年度税制改正に向けた課題整理を行った。

 また安倍首相は訪米前、財務省幹部に対し所得税改革の一環として配偶者控除見直しについて検討を加速するよう指示。政府税制調査会は昨年の議論の中で配偶者控除の見直しを「中長期の課題」と位置付け、平成27年度税制改正での検討を見送ったが、今回は首相の強い意向ということで、議論が一気に具体化しそうだ。

 配偶者控除は、妻の年収が103万円以下の世帯について、夫の課税所得から38万円の控除が受けられる制度。この「103万円の壁」が女性の働く意欲をそいでいるとの指摘がある。

 制度の見直しにあたっては政府税調が昨年まとめた改革案がベースになる見込みだ。見直し案として挙っているのは、(1)配偶者控除を廃止して夫婦それぞれの基礎控除のみとする、(2)制度を修正して夫婦の控除額を一律で計76万円とする、(3)新たに「夫婦控除」を設け、夫婦の基礎控除に加えて一定額を控除する――など。関係者によるとこのうち「夫婦控除」を創設する案が有力視されているという。

 6月にもまとめられる「骨太の方針」に一定の方向性が明記される見通しで、そうなれば年末の税制改正大綱取りまとめに向けて具体案の検討は一気に加速しそうだ。