日税連税制審が「給与所得と公的年金等所得の課税のあり方」で答申
カテゴリ:13.会計士・税理士業界 トピック
作成日:01/28/2015  提供元:21C・TFフォーラム



 池田隼啓日本税理士会連合会長の諮問機関である税制審議会(金子宏会長)は、平成26年度の諮問事項である「給与所得と公的年金等所得に対する課税のあり方について」総会6回、専門委員会7回の審議を経てこのほど答申した。

 答申は、1)給与所得課税の問題点とあり方、2)公的年金等所得課税の問題点とあり方、3)給与所得と公的年金等所得の課税のバランス、について触れた後、現行税制について「公的年金については、保険料の拠出時と年金の受給時を通して事実上の非課税制度となっている。このため、給与所得者を中心とする現役世代により多くの負担を強いる結果となっているが、現役世代の勤労意欲を減退させないためにも世代間の公平を図る税制を構築すべき」と提言。

 また、給与所得と公的年金等所得に係る税制を個別にみた場合に、それぞれの所得計算において概算所得控除制度が採用されているが、いずれについても現行の控除額が過大であることは明らかで、相当程度の縮減が必要だが、その際、公的年金収入に対応する必要経費がないことを踏まえて見直すことが必要とした。さらに、適切な課税ベースを維持するために、給与所得控除と公的年金等控除の重複適用についても早急に見直す必要があるとしている。

 最後に、現行の源泉徴収制度は、給与の支払者に過大な事務負担を強いていることから、年末調整度のあり方を含めて、その負担軽減を図るべきこと、遺族年金の非課税制度の適用について一定の制限を設けること、私的年金に類似する企業年金の課税方法を見直すこと、公的年金等所得に係る所得区分を新たに創設すべきこと、を提言している。