住宅購入者の約1割が住宅取得等資金贈与の特例を利用
カテゴリ:16.その他 トピック
作成日:10/22/2014  提供元:21C・TFフォーラム



 住宅購入者に占める「住宅取得等資金に係る贈与税の非課税制度」の利用者の割合は全体の10.8%と約1割になっていることが、不動産流通経営協会がこのほど発表した「不動産流通業に関する消費者動向調査」結果(有効回答数1124世帯)で分かった。同調査は、首都圏1都3県(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)で2012年4月から2014年3月の間に、購入した住宅の引渡しを受けた世帯を対象に6月に実施したもの。

 世帯主の年齢別にみると、「住宅取得等資金に係る贈与税の非課税制度」の利用率は「30歳~39歳」が最も高く17.5%、次に「29歳以下」が13.6%と、比較的若い世代ほど生前贈与により住宅取得が容易となっている様子がうかがえる。同非課税制度が住宅購入に与えた具体的な影響(複数回答)については、「借入金額を少なくできた」(71.9%)が最多、次いで「住宅を購入することができた」(34.4%)となっている。

 また、今年4月から実施された消費税率の引上げが、今回の住宅購入に与えた影響についてみると、「住宅の購入時期を早めた」が新築住宅購入者の57.3%(対前年度比11.1ポイント増)を占めている。特に「29歳以下」では73.7%(同9.4ポイント増)と最も多く、次いで「30歳~39歳」が66.3%(同17.3ポイント増)となっており、若い世代ほど多くの世帯が影響を受けていることが判明した。

 消費税率の引上げについては、「そもそも住宅に消費税がかかるのはおかしい」(32.6%)または「住宅購入は特別で、現行のまま据え置くべき」(10.6%)が購入者全体の43.2%を占めた。そのように考える理由(複数回答)については、「住宅は生活の大切な基盤であるから」(62.1%)が最も多く、次いで「長期にわたって住み続ける住宅に、消費税がかかるのはおかしい」(42.5%)といった意見が挙げられた。

 世帯主の年齢別にみると、世代にかかわらず「住宅は生活の大切な基盤であるから」が過半数となっている。また、世帯主の年齢が若い世代ほど「住宅ローンの負担が更に大きくなるから」が多く、特に「29歳以下」では「住宅ローンの負担が更に大きくなるから」が第2位(47.4%)となっており、切実な様子がみられ、消費税の増税が若い世代の住宅購入に影響を与える可能性が示唆される。

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