第二の税金、厚生年金保険料率が引上げへ
カテゴリ:16.その他 トピック
作成日:09/06/2012  提供元:21C・TFフォーラム



 「第二の税金」とも言われる厚生年金の保険料率が、9月分から引き上げられる。一般被保険者の保険料率は現在の16.412%から0.354ポイント引き上げられ、16.766%になる。

 厚生年金の保険料率については平成16年、自民・公明の両党による与党年金制度改革協議会で合意文書が交わされ、同年以降、毎年段階的に引き上げられることになった。これにより、同16年8月分までは年収の13.58%(労使折半負担)だった厚生年金保険料率は、翌月分から毎年0.354ポイントずつ引き上げられ、同29年には年収の18.3%にまで引き上げられる。13年間で段階的に4.72ポイント引き上げられることになる計算だ。

 ボーナスを含めた平均年収が570万円の場合、同29年の保険料は年額104万3100円。労使折半でも会社と個人がそれぞれ52万1550円ずつ負担することになる。この年収の場合、同16年と比べると個人分だけで13万4520円の負担増だ。

 社会保障と税の一体改革法の成立により消費税増税が実現することになったが、「一体」で改革される予定だった厚生年金の保険料率については具体的な見直しすらなされていない。第二の税金ともいわれる厚生年金保険料率の段階的引上げによって、労使共に負担は増す一方。「これでは賃上げもままならない」、「雇用に伴う過重なコストが企業経営を圧迫するばかり」といった悲鳴が聞こえてくる。「一体」とは名ばかりの社会保障改革によって、雇用の流動化と産業の空洞化にますます拍車がかかることが懸念されている。