吉野家グループ、100店舗に増税分の家賃を不払い
カテゴリ:03.消費税 トピック
作成日:08/25/2014  提供元:21C・TFフォーラム



 経済産業省は20日、吉野家グループが支払う店舗の賃借料に関して調査を行った結果、グループ会社が賃借している店舗の家賃に係る消費税のうち、増税による上乗せ分を賃借している店舗の家主に支払っていないことから、消費税転嫁対策特別措置法第3条第1号の規定に違反する行為(減額及び買いたたき)が認められたとして、公正取引委員会に対して適正な措置をとることを請求したと発表した。

 措置請求は、4月の消費増税後初めてで、吉野家グループの「吉野家資産管理サービス」と店舗管理の「北日本吉野家」、「中日本吉野家」の3社に対するもの。吉野家グループは、複数の店舗所有者(賃貸人)から継続して店舗を賃借しているが、3社は、約100店舗の所有者に対して、4月分・5月分の賃借料は消費税率引上げ分を上乗せして支払ったが、後に、6月分の賃借料から4月分・5月分の消費税率引上げ分を減額して支払った。

 さらに、店舗の持ち主に対し、6月分以後の賃借料も消費税率引上げ分を上乗せしない旨を通知していた。全国約100店舗が増税分の家賃を支払われておらず、被害額は少なくとも200万~300万円にのぼる見通しという。経産省は、こうした行為が、消費税転嫁対策特措法第3条第1号の規定に違反する行為(減額及び買いたたき)であり、多数の店舗所有者に対して減額及び買いたたきがなされていたことが認められるとした。

 公取委は、今後1ヵ月を目処に勧告処分を下すかどうかを決める予定。なお、消費税転嫁対策特措法第3条第1号では、「減額、買いたたき」として、(1)商品又は役務の対価の額を事後的に減額することにより、消費税の転嫁を拒否すること、(2)商品又は役務の対価の額を通常支払われる対価に比べて低く定めることにより、消費税の転嫁を拒否すること、と規定している。今回の吉野家グループの行為は「減額」に当たると判断している。

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