外部監査に「監査サポート組織」創設を提言
カテゴリ:06.地方税 トピック
作成日:05/13/2013  提供元:21C・TFフォーラム



 総務省の「地方公共団体の監査制度に関する研究会」(座長/宇賀克也・東大教授)は、従来の自治体内部監査・外部監査に代えて、個々の自治体から独立した主体が全国統一の監査基準の作成や監査の品質管理、研修等を行う専門組織である「監査サポート組織」を創設するなど、新たな監査制度のしくみを提言する報告書をとりまとめた。
 
 現行の自治体監査は、内部の監査委員制度とそれを補完する外部監査制度の2本柱。だが、近年、「あずけ」と呼ばれる自治体の不適切な予算執行管理が明るみに出て監査制度への不信感が高まり、2010年には地方行財政検討会議が内部監査、外部監査とも廃止すべきだとする提言を行っていた。
 
 こうしたことから今回の報告書は、まず内部監査について、1)全国統一の監査基準の採用、2)OB・議員監査委員の選任方法の見直し、3)監査結果報告に対する強制力の付与、4)監査事務局の独立性・専門性の確保、などを指摘した。とくに、監査事務局の専門性確保の観点では、すでに一部自治体に導入実績のある弁護士・公認会計士などの外部の専門家を任期付職員として積極的に活用することや、監査事務の一部を公認会計士や監査法人に委託することも有効だと指摘した。
 
 また、外部監査制度については、1)長が議会の同意を得て監査人を選任する手続きの見直し、2)全国統一的な監査基準の作成や監査の品質管理、研修等を担う「監査サポート組織」の創設が必要だと強調。監査サポート組織は試験を実施し、合格者を認証して研修も行うことで専門性を確保するとともに、自治体には監査サポート組織の名簿登載者のなかから推薦された者との契約締結を義務付けることなどを提言している。