タワーマンション節税にメス
カテゴリ:05.相続・贈与税 トピック
作成日:01/28/2016  提供元:21C・TFフォーラム



 タワーマンション節税についにメスが入る。総務省と国税庁はこのほど、時価に対して相続税評価が大幅に低いタワーマンションを節税目的で購入する動きに歯止めをかけることについて合意。具体的な検討に入った。現在は一律となっている相続税の評価額を、高層階に行くほど引き上げることで節税効果を薄めるという。早ければ平成29年に総務省令を改正し、同30年1月から施行される見通しだ。

 相続税の評価額は高層マンションになるほど市場価額(時価)と乖離しがちである。土地の評価はマンションの敷地全体を戸数で割るため、高層で戸数が多いほど一戸当たりの持ち分が少なくなるためだ。時価に反映される「眺望」などのメリットは加味されないため、同じ広さであれば低層階も高層階も評価額は同じ。このため富裕層の間で相続税対策としてタワーマンションの高層階の部屋を購入する動きが加速した。

 こうした動きを受けて国税庁は昨年、タワーマンションの特性を利用した過度の節税に対して監視を強化すると表明。通達改正など何らかの動きがあるものと思われたが、平成28年度税制改正では見送られた。しかし今回、総務省と組んで具体的な対応に乗り出したということで不動産業界や富裕層を中心に強い関心が寄せられている。

 「対応」の具体的な内容については、現在一律となっている相続税の評価額を、高層階にいくほど引き上げる方向で検討中のようで、階層によって1階の10%増、20%増といった補正を行う案が有力だという。高層階の物件は税負担が重くなる一方で、低層階の負担は軽くなるケースも出てきそうだ。

 しかしマンションの時価は、階層だけでなく眺望や仕様、地域性なども大きく影響する。例えば、同じ階で同じ広さの部屋でも、南向きか北向きか、富士山が見えるか否か等で時価に大きな差が出る。こうしたデリケートな性質を持つ時価に対して評価額をいかに釣り合わせるのか。遡及適用の有無や固定資産税への影響と合わせて、今後の動きに注目が集まる。




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