見直される「控除対象配偶者」の定義
カテゴリ:02.所得税, 15.税制改正 トピック
作成日:02/17/2017  提供元:21C・TFフォーラム



 平成29年度税制改正で配偶者控除・配偶者特別控除が見直されることに伴い、現行の控除対象配偶者が、「控除対象配偶者」、「同一生計配偶者」、「源泉控除対象配偶者」の3つになる。控除対象配偶者を定義している所得税法の規定を整備し、平成30年分以後の所得税から適用する。

 現行の配偶者控除では適用対象を、「居住者が控除対象配偶者を有する場合」とし、控除対象配偶者の定義で「配偶者の合計所得金額が38万円である者」と規定されているため、居住者の所得に関係なく控除が適用される。改正により、居住者の所得要件が導入され合計所得金額が1千万円超の居住者は、配偶者控除の適用ができなくなるため、控除対象配偶者の定義を規定し直すことになった。

 一方、源泉控除対象配偶者は、1)配偶者特別控除の見直しにより、38万円の控除が適用される配偶者の所得の上限を、合計所得金額85万円以下に引き上げたこと、2)居住者の所得要件(合計所得金額900万円以下、900万円超950万円以下、950万円超1千万円以下の3段階)が導入され、38万円の控除が適用されるには、合計所得金額900万円以下の要件も満たさなければならなくなったことから新設した。

 現行の控除対象配偶者は「同一生計配偶者」に名称変更するが内容は現行と変わらない。これらを整理すると次のようになる。

▼同一生計配偶者 「居住者の配偶者でその居住者と生計を一にするもの(カッコ内省略)のうち、合計所得金額が38万円以下である者をいう」
▼控除対象配偶者 「同一生計配偶者のうち、合計所得金額が千万円以下である居住者の配偶者をいう」
▼源泉控除対象配偶者 「居住者(合計所得金額が900万円以下であるものに限る)の配偶者でその居住者と生計を一にするもの(青色事業専従者等を除く)のうち、合計所得金額が85万円以下である者をいう」