浮上するか消費税の地方税化
カテゴリ:06.地方税 トピック
作成日:09/10/2012  提供元:21C・TFフォーラム



 橋下徹大阪市長率いる「大阪維新の会」が8月31日、「維新八策」の骨子を明らかにした。中央政党がこぞって秋波を送る同会は、解散・総選挙になれば「小選挙区・比例区合わせて58議席を獲得して第3党に躍進する」という予測報道がすでに流れるなど、その影響はけっして小さくない。

 維新八策は、首相公選制や道州制の導入、衆議院定数の半減などドラスティックな内容だが、そのなかには予想どおり消費税の地方税化も盛り込まれた。タイミングも絶妙だ。今国会で特例公債法案の成立が流れたことで地方交付税の自治体への交付が滞り、地方財政はピンチに追い込まれているさなか。

 9月5日、橋本市長は報道陣を前に、政局ばかりの国会の動きを批判したうえで、「住民サービスが大きな影響を受ける」、「いつまでも仕送り大学生ではいけない」、「消費税を地方税化するしかない」と持論を展開した。国政に左右される現在の財政移転のしくみを、独自の地方税源へと転換しなければならないと強く訴えるものだった。

 これまでにも全国知事会など地方側は消費税の地方税化を訴えてきたが、社会的関心を集めることができず、その内容も地方法人関係税との税源交換論が主体だった。その点、維新八策は税源交換に言及していないうえ、現在、地方消費税の実務を丸ごと国に委託している申告受付・課税・徴収をどのような組織で運営するのかなど、まだ構想の詳細は不透明だ。

 消費税増税がきっかけで空転した今国会。第2幕では、その消費税の地方税化が争点のひとつとして急浮上する可能性が出てきた。